外国人又は外国法人が所有権の登記名義人となる場合、登記簿に当該外国人又は外国法人の住所が登記されるので、その住所を証明する書面の添付が必要となります。外国においてこうした個人又は法人の住所を証明する方式や書面の様式は様々であり、どのような書面を添付させるかの判断は法務局において個別的な運用がされていたようです。そこで、外国人等の住所証明情報の統一的な取扱いをするため、「外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて」(令和5年12月15日付け法務省民二第1596号法務省民事局長通達)が発出され、令和6年4月1日以後の申請から実施されています。
そこで、ケースごとに必要となる住所証明情報を本通達に基づき整理したいと思います。なお、全てに共通することですが、外国語で作成された書面の場合はその訳文の添付が求められます(翻訳者に制限はありません。)。
1 外国に住所を有する外国人の場合・・・⑴又は⑵
⑴本国又は居住国の政府の作成した住所を証明する内容の書面
例:オーストラリアに住む中国人についてオーストラリア政府が発行した住所を証明する書面
⑵本国又は居住国の公証人の作成した住所を証する書面+①又は②
①旅券(パスポート)の写しを添付できる場合・・・以下の要件を満たしている旅券の写し
・公証人の書面の作成日又は申請日において有効であること
・写しの中に氏名、有効期間及び写真のページが含まれていること
・旅券の写しが公証人の書面と一体(合綴された状態)でなければ本人が原本に相違ない旨の記載と署名又は記名押印をしていること
②旅券を所持していない場合・・・㋐及び㋑
㋐旅券を所持していない旨の上申書
㋑本国又は居住国の政府が作成した書面の写し・・・以下の要件を満たしているもの
・本人の氏名が記載されていること
・公証人の書面の作成日又は申請日において有効な書面であること
・当該書面が公証人の書面と一体でなければ本人が原本に相違ない旨の記載と署名又は記名押印をしていること
なお、⑵の特例として本国又は居住国の法制上の理由等のやむを得ない事情で公証人の作成した書面を取得できない場合は、日本の公証人の作成した住所を証明する内容の宣誓認証と以下①及び②の書面です。
①以下の要件を満たしている旅券の写し
・宣誓認証の作成日又は申請日において有効であること
・写しの中に氏名、有効期間及び写真のページが含まれていること
・旅券の写しが宣誓認証と一体(合綴された状態)でなければ本人が原本に相違ない旨の記載と署名又は記名押印をしていること
②本国又は居住国の公証人の作成した書面を取得することができない旨の上申書
2 外国に住所を有する法人の場合・・・⑴又は⑵
⑴法人設立の準拠法令を制定した国の政府の作成した住所を証明する内容の書面
⑵法人設立の準拠法令を制定した国の公証人の作成した住所を証明する内容の書面+以下の条件を満たす書面の写し
・法人設立の準拠法令を制定した国の政府の作成した法人の名称の記載があること
・公証人の書面の作成日又は申請日において有効な書面であること
・当該書面の写しが公証人の書面と一体でなければ法人の代表者又は宣誓供述を行う権限のある者が原本に相違ない旨の記載と署名又は記名押印をしていること
なお、⑵の特例として法人設立の準拠法令を制定した国の法制上の理由等のやむを得ない事情で公証人の作成した書面を取得できない場合は、法人の代表者又は宣誓供述を行う権限のある者の本国又は居住国の公証人の作成した住所を証する書面又は日本の公証人の作成した住所を証明する内容の宣誓認証のほか、以下①及び②の書面です。
①以下の条件を満たす書面の写し
・法人設立の準拠法令を制定した国の政府の作成した法人の名称の記載のある書面であること
・公証人の書面の作成日又は申請日において有効な書面であること
・当該書面の写しが公証人の書面と一体でなければ法人の代表者又は宣誓供述を行う権限のある者が原本に相違ない旨の記載と署名又は記名押印をしていること ②法人の代表者又は宣誓供述を行う権限のある者による法人設立の準拠法令を制定した国の公証人の作成した書面を取得することができない旨の上申書
中浦和司法書士事務所
住所:埼玉県さいたま市桜区西堀2-19-15アイセイマンション203
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